“コンビニ人間” 読書感想
著者
村田 沙耶香さん
読書時間 1時間20分
第155回 芥川賞受賞
受賞したことでタイトルは良く耳にしていましたが、やっと読みました。
想像以上の奇作、しかも1時間20分ほどで読めるボリュームだったので
物語に入ってあっという間に終わってしまった感がいなめません。
もっと読んでいたかったと久しぶりに思いました。
(過去にどの作品で思ったのかは覚えていませんが・・・)
コンビニで働いたことはありません
わたしはコンビニで働いたことはありません。でも過去に電話で問い合わせたことはあります。その時は「かけもちで働きたい」と希望を出したところ敢え無く断られました。それ以降一度もコンビニでのバイトに応募したことはありません。(もう18年ほど前の話です)
しかし、コンビニにはよく行きます。
特に子供が生まれる前は毎日のように行っていました。ですからコンビニがどんなところで何を販売していて店員さんがどんな感じでというのは想像できます。
作者の文章力にほれぼれするぐらい、コンビニの情景が鮮明に思い浮かび
自分は働いたことがあるのかと思うくらい恵子の目に映るものが私にも映ったように感じました。
現代をクレイジーに表している
正直どちらが正解なのか、受け入れない世の中が悪いのか
恵子が他の人と違いすぎるから良くないのか・・・
人と違うことをすると責め立てられるのが世の中です、特に日本はそうなのでしょうか(海外に行ったことがないので想像でしかありません)
一般常識というカベは常に重く、どの立場に居ても人と違えばたたかれます。
まさに「出る杭は打たれる」ということです。
わたし自身の考え方ですが、多様性は大好きです。大好物と言っても過言ではありません。
でも、過去に多様性を受け入れられなかった自分がいたことも事実、そんな時わたしはどんな接し方をしていただろうかと考えさせられました。
不器用だけど完璧なコンビニ人間の恵子、
コンビニで働いたことがある人ももちろん
コンビニを知っている人なら読んで損したという思いはない一冊です。